●CONTENTS●

◆棚卸の「い・ろ・は」

●商品を販売する目的で仕入れても、すぐに経費となる訳ではありません。
商品が売れたとき、売れた商品に対応する部分だけを経費とすることができます。
つまり仕入れた商品のうち、売れた分が「経費」となり、売れていない部分が「在庫」として
資産に計上されます。在庫の金額は 数量×単価 で算出します。
「在庫」の商品の数量を把握することを「棚卸し」といいます。

●では棚卸しは具体的にどのように行われるのでしょうか。
「棚卸表」に、商品の数を記入することにより行います。
決算のとき、月末に、週末に、棚卸表を作成しましょう。
正しい在庫の金額がわからないと、正しい損益も計算できません。
簡単に思える在庫の数量の把握、でも実際はとてもミスが起きやすいのです。
棚卸の考え方と実務上のポイントをまとめましたので参考にしてください。

商品の仕入れと在庫の仕訳

●商品を10万円仕入れたとき

仕入高

100,000

買掛金

100,000
●棚卸をしたとき(期首の商品が5万円あったとき)

期首商品棚卸高

50,000

商  品

50,000

●棚卸をしたとき(期末の商品が3万円あったとき)

商  品

30,000

期末商品棚卸高

30,000

  

1

●仕入れた商品は全額を「仕入高」として計上します。

●期首の持ち越し在庫は期首商品棚卸高として計上しています。

●売れなかった分を「期末商品棚卸高」として計上しています。

●つまり当期の仕入に、期首の在庫商品を加算し、期末の在庫商品を差し引くと、売れた商品に対応する仕入れを計算する仕組みとなっているのです。

決算書への表示 

売上高

200,000

売上原価
期首商品棚卸高

50,000

当期商品仕入高

100,000

合 計

150,000

期末商品棚卸高

30,000

120,000

売上総利益

80,000

2

●赤字が経費のプラス、青字が経費のマイナスを表しています。売れた商品に対応する仕入は、次の算式でも計算できます。

100,000+50,000-30,000=120,000

●当期に売れた商品に対応する仕入のことを、「売上原価」といいます。期末商品棚卸高の右側の数字「12万円」がその数字です。

●当期の「売上」から「売上原価」を差し引いた金額を「売上総利益」といいます。「粗利益」ともいいます。

一般的な棚卸表の書式

棚 卸 表

会社名
実施日 場所
作成者 承認印

商品名

数量

単価

金額

摘要
ボールペン M社 k-102

200

50

10,000

良品
ボールペン M社 k-102

10

50

500

棚ざらし

4

棚卸をするときには、「棚卸表」を作成しましょう。「棚卸表」は税法でも7年間の保存が義務づけられている大切な書類です。大切に保存しましょう。また不良品、たなざらし品は評価減できる場合もありますから、明記しておきましょう。

委託先の商品も忘れずに計上しましょう。

委託販売契約書
第一条 甲は乙に対して、「商品A」の販売を委託し、乙はこれを承諾する。
第二条 甲は「商品A」を毎月20個を乙の店舗に送付するものとする。
第三条 乙は甲の指定する価額によって販売する。
第四条 乙の手数料は、販売代金の10%ととする。

4

棚卸が必要な商品は社内にあるものだけとは限りません。たとえば商品の販売を委託している場合、当社の商品が委託先に預けてありますね。売れるまでは当社の商品です。棚卸に加えなければなりません。

月末の納品はチェックが必要です。

5

月末の仕入れは特に注意が必要です。仕入先が商品を月末に発送し、当社に1日に到着したケースです。もし納品書が月末の日付となっていると、期末には商品が届いていないので在庫からは漏れてしまいます。月末の仕入れは、在庫表に計上されているか確認しましょう。

6

たとえば東京本社の倉庫から北海道の営業所へ商品を配送しているとき、輸送中に期末をむかえると本社にも、営業所にも、商品が実在しないので、「棚卸表」に計上されません。配送中の商品も在庫表に計上されているか確認しましょう。

7

月末の夕方に得意先から受けた急ぎの注文。翌朝一番の宅配便で発送できるようすぐ梱包しました。この商品は出庫済みですが、売り上げは翌日です。在庫に計上しなければなりませんが、倉庫の商品を数えただけでは、棚卸表から漏れてしまいます。


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