◆平成18年度税制改正について(法人編)
(2006/01/27)

次回に引き続き、平成18年度税制要綱についてお届けします。今回は法人編です。なかでも、役員に対する報酬・賞与等につい

ての大きな改正が盛り込まれています。今までになかった過激な改正もあります。以下、ご覧ください。

  注:これらは税制改正要綱であり、法案として成立したものではありません。変更されることもありますのでご注意ください。

T 役員報酬の定期定額要件の緩和

     従来は役員へのボーナスは会社の損金に算入することが認められていませんでした。

     今回の改正では、あらかじめの定めがあり、それに基づいて確定時期に確定額を支給する場合には、役員への

     ボーナスが会社の損金にすることが可能となります。

U 実質一人会社の社長報酬の給与所得控除分の損金不算入

     該当する法人については、経営上大きな影響があります。改正の中身をみていきます。

     実質一人会社のオーナー社長の報酬について、その給与所得控除相当額を法人の所得計算で損金不算入とするも

     のです。

     次の法人が該当します。

       1:同族関係者の業務を主催する役員とその同族関係者等がその会社の発行済株式総数の90%以上を

         所有していること

 2:その役員と同族関係者等が常務に従事する役員の過半数を占めていること

具体例

     株式会社○○○の状況

       株主構成

         社長Aさん(常勤)       80%  

         社長Aさんの奥さん(専業主婦) 10%

         役員Bさん           10%

       過去3年以内の事業年度の年平均額

         法人の所得金額      平均900万円  

         社長Aさんの役員報酬 平均2,000万円

       今期の状況

         法人の所得金額        800万円

          (今回の損金不算入考慮前)

         社長Aさんの役員報酬   2,400万円

上記の場合、株式会社○○○は上記1及び2の要件を満たしており、従来発生しなかった次のような所得・税金が発生

          ます。社長Aさんの役員報酬が2,400万円ですから、Aさんの給与所得控除額290万円(2,400万円×5%+

          170万円)が、損金不算入となります。

     つまり、今期の法人の所得金額は800万円⇒1,090万 円となります。実効税率42%とすると290万円×42%

          =約121万円納税が増えることになります。

       注:次の場合は適用除外となります。

           ・(法人の所得金額+主催者である役員の報酬)の合計額の前3年内平均が年800万以下

          ・(法人の所得金額+主催者である役員の報酬)の合計額の前3年内平均が年800万超30

                       00万以下で、かつ、その平均額に占める報酬の割合が50%以下

V 交際費の課税範囲の明確化

     実務上、一人当たり3,000円が交際費と会議費等の区分の目安とされてきました。

     今回の改正で、交際費とは別に5,000円以下の飲食費(役職員の間の飲食費を除く)について損金算入を認める

          とが明らかにされました。

W 30万円未満の少額減価償却資産の特例の期間延長

     平成15年度改正で創設された30万円未満の少額減価償却資産の特例(資本金1億円以下の中小企業者等が30 万円未満の減価償却資産を取得した場合、全額損金にできる制度)がもう2年間延長されました。ただし、適用上限金

     額が設けられ、300万円を超える部分は通常の減価償却資産として処理することとなります。

     こちらは、中小企業の10社に1社が利用しているようです。

他にも、情報システム投資の税額控除制度なども創設されています。

 

 特にUに該当する法人は、今回の改正は要チェックです。法案が通りましたら、また対策・利用法などをお届けします。

  ご清聴ありがとうございました。


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