◆役員給与(平成18年度税制改正)
(MapsPress/2006.05)
平成18年度税制改正で、法人の役員給与への課税の仕方が劇的に変わりました。
役員賞与が事前届出を行うことで損金に算入できるようになったとはいえ、落とし穴が各所に散りばめられていて、「ちょっとしたミスで社長の今年の給与は1円も会社の経費になりません」なんてことになりかねません。

まとめてみましたので、チェックしてみてください。

役員報酬は原則として損金算入
(過大部分だけ損金不算入)

役員賞与は原則として損金不算入
(使用人兼務役員の使用人部分だけ損金算入)


 役員報酬と役員賞与の区別がなくなりました。基本的に年俸で物事を考えます。 
そのうえで、損金算入できるものは、次のものです。

@ 支給時期が1月以下の一定の期間ごとであり、かつ、その事業年度内の各支給時期における支給額が同額である給与(定期同額給与)

A 所定の時期に確定額を支給する旨の定めに基づいて支給する給与で、届出など一定の要件を満たすもの(事前確定届出給与)

B 報酬委員会設置会社の有価証券報告書に記載された利益連動給与



Bは、基本的に上場会社だけに適用されるものですので、@とAについて見ていきます。

〇役員に対して支給する毎月の給与は、毎月同額だったら損金になります。

〇定期同額給与の役員給与を変更する場合には、事業年度開始の日から3ヶ月を経過する日までに行わなければなりません。

この場合には、これまでと同じく税務署への届出は必要ありません。

落とし穴1
 この「いずれか早い日」後に役員給与を変更してしまったら、その事業年度の役員給与は、原則として損金になりません!(経営状況が著しく悪化して役員給与を減額する場合には損金になるとされています)

○ 役員へボーナスを支給する場合には、次のいずれか早い日までに税務署へ届出が必要です。「事前確定届出給与」といいます。 
 ・事業年度開始の日から3ヶ月を経過する日
 ・職務の執行を開始する日

落とし穴2
これまで非常勤役員や監査役へ役員給与として、毎月ではなく年1回とか年2回に分けてまとめて支払ってきたような場合、その報酬については今後は損金になりません。
 ⇒届出してください。または毎月定額に変更してください。

落とし穴3
その届出した金額と支払った金額が異なる場合、その支給額全額が損金になりません。これはたとえ届出した金額より支払った金額が少なくても同じです。

財務省令には、事前確定届出給与の届出に記載する事項として主に次のものが挙げられています。
・対象となる給与を受ける者の氏名、役職名
支給時期、支給時期ごとの各支給額  
                     例(6月、9月、12月、3月の4回、各50万円)
・支給時期・金額を定めた日、定めた機関等  
                    例(平成18年6月25日、株主総会)
職務執行開始の日      例(平成18年7月1日から)
定期同額給与としない理由、上記の支給時期とした理由
定期同額給与等とあわせて支給する場合のその支給時期・支給時期ごとの各支給額
・対象者について前事業年度に支給した給与の支給時期・支給時期ごとの各支給額
他の役員に支給する給与の支給時期・支給時期ごとの各支給額

役員給与を決定したときは、いままでどおり議事録の作成は必要です。また税務署への提出は必要ないようです。

支給額を決定する際には、定款に役員報酬総額の定めがあるか、またその枠を超えないか確認が必要です。

今回の役員賞与・役員報酬の改正は中小企業にとって非常に融通が利かなくなってしまったと思っています。
今回の改正により期の途中での増減ができなくなってしまいました。
これは、「役員の報酬は定時株主総会の決議を経て支給額を改定するため、株主総会の時期以外の支給額改定は認められない」と明確にされたためです。
したがって業績が好転した場合、税金を払いたくないから報酬を上げるという方法は認められません。
ただし業績が悪化し減額せざるを得ないような場合に限り、減額することは可能になります。

 たとえば3月決算で株主総会が7月に行われたものとして例をあげると次のようになります。
じゃあ役員賞与で調整を・・・と考えられるかもしれませんが、役員賞与は事前に税務署に「いつ」「いくら」払うと届出なければならないため、利益が出たからあわてて役員賞与を支給するということはできません。
逆に、先に届出だけしておいて業績がよくないから賞与の支給をしないということもできません。

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