大きな声では言えないけれど・・・
「家の父親が死んだら税金かかるのかな?」
L有価証券の評価

被相続人が「有価証券」を所有していた場合には、
銘柄ごとに「相続税評価額」を計算しなければなりません。

「有価証券」には、株式や公社債、証券投資信託の受益証券などがあります。

●上場株式

証券取引所に上場されている株式は、
次の4つの値のうち最も低い金額が評価額となります。

  ・課税時期の最終価格

  ・課税時期の属する月の最終価格の平均額

  ・課税時期の属する月の前月の最終価格の平均額

  ・課税時期の属する月の前々月の最終価格の平均額

「どこで調べよう?」と悩むデータですが、
税務署のロビー等にこれらの金額が記載された資料があります。
閲覧しに行くのが簡単です。

相続が発生している場合には、
新株式の割当や無償交付、配当金の交付による権利落ちに注意が必要です。
新株権利落等の日の前日以前の最終価格を用いるからです。

●取引相場のない株式

被相続人が会社を経営していたり、
友人の経営する会社に出資をしていたりと、

公開されていない株式を相続することがあります。

これらは「取引相場のない株式」として評価します。

この「公開されていない株式」の中には、
大企業に匹敵するような優良企業のオーナーが所有する株式があれば、
赤字続きの欠損会社の株式もあり、
また、社員持ち株会に加入して数株所有している場合もあります。

会社の「規模」と、
どの程度の割合で株式を所有しているかにより、評価の方法が変わってきます。

会社の決算報告書より評価額を計算しますが、
この「取引相場のない株式」だけで専門書が1冊あるぐらい複雑な評価方法なので、
会社の顧問税理士に計算してもらいましょう。


●証券投資信託の受益証券

MMFや〇〇ファンドなど証券投資信託の受益証券は、
課税時期において解約請求又は買取請求を行ったとした場合に、
証券会社から支払いを受ける金額をもって評価額とします。

支払いを受ける金額は

「課税時期1口当たりの基準価額に口数を乗じた金額から、
源泉徴収される所得税と解約手数料を差し引いた金額」

になります。

●利付公社債

証券取引所などで公表されている課税時期の最終価格に
既経過利息(源泉税控除後)を加算した金額で評価します。

上記のほかに、
割引発行の公社債や個人向け国債、貸付信託受益証券などいろいろな金融商品があります。

相続が発生している場合には、
証券会社から課税時期の評価証明書を取り寄せすると便利です。